『真昼の月』 恋愛の結びつきの最上のものは、信頼

公開日: : 最終更新日:2014/04/28 TVドラマ

1996年のテレビドラマで、主人公は常盤貴子さん演じる舞永と、織田裕二さん演じる直樹です。まだ二人とも今よりもずっと若くて、初々しい演技が好感を持てます。

このドラマには大変重い主題があり、社会的な観点からも当時は話題になりました。

舞永は自転車で帰宅途中に、強姦被害にあいます。そのことが深い痛手になり、恋愛はおろか、日々の生活にも不自由するほどの、精神的な後遺症を残してしまいます。

放置自転車を見ただけでも、思い出して固まってしまいます。エレベーターに男の人と乗っただけでも、事件がよみがえり混乱して、パニック障害を起こします。

このようなPTSD、トラウマにより、人には理解されない苦しみと一人で闘っています。
直樹と舞永は、お互いに好きになっていく関係ですが、舞永は男の人を愛するということができません。

強姦のPTSDは根強く、直樹を愛すれば愛するほど、自分も辛くなることが切り離せなくなり、直樹に嘘をついたり嫌われるようなことをしてしまいます。

始めは理由が分からなかった直樹も、真実を知り、真剣に舞永を守っていきたいと思い、不器用ながらも彼女を愛していきます。

その誠実な気持ちが、次第に舞永の心を開いていきます。

彼にとっても、強姦された女性と恋人となれるのか、などの問いに自分自身も迷い、悩みます。

事件を忘れさせるのではなく、無理をさせないように、力となれるように二人で乗り越えていくことは出来ないだろうかと、精神科医や友人とも話を尽くし、模索します。

傷ついた二人の間に生まれてくるものは、お互いを大切に思い、自分の本当の気持ちを少しずつ受け渡していくような、深い信頼関係です。

ドラマでは主題である、社会の悪というレイプ事件に関連しての、男女の体の関係というものが、良くない一部分となって、どうしても浮き彫りになる面があります。

ですが、もちろん愛し合った男女には、体の関係というものは、二人だけの特別な、素晴らしい大部分であるということには、間違いありません。

それを重く見たとしても、なおこの物語には、もっと大きな男女の愛を感じさせるものがあります。
直樹と舞永には、身体の結びつきよりも、人間としての信頼関係で結びついた、男女の強靭さというものを見ることが出来るでしょう。

勇気ある決断をする二人には、大きな拍手を送りたいです。

恋愛によって傷つくことは、山のようにありますが、このような強いカップルを見ると、愛の絆の強さを信じていいのかもしれないと思える、素晴らしい作品です。

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