『愛のむきだし』 愛とは決して後悔しないこと♪

公開日: : 最終更新日:2014/04/28 映画

とにかく長い。
三時間を越える大作だが飽きさせない。

主人公の少年はクリスチャン、彼の父は神父、母は彼が小学生の頃に死んでしまう。
彼は父を尊敬している。なくなった母の教えのとおり理想の女性(マリア様)との出会いを夢見ている。
母を失っても彼の家庭は静かな愛情に満ち平和だ。

しかしその日々は突然終わる。
父が母を忘れ恋(肉欲?)におぼれてしまうのだ。

彼は傷つき父を取り戻そうと必死になる。
もがけばもがくほど父は遠くに行ってしまう。

彼は唯一父と繋がれる時間=ざんげをするのために罪を作り続ける。
友人の消しゴムを拾ってやらなかった、ありを踏み殺した、妊婦に席を譲らなかった、ささやかな罪たち。

しかし父はそれらの罪を認めない。
贖罪のためだけに意図的に作った偽者の罪だから。
父に認めてもらうには本当の罪が必要と感じた彼は盗撮を始める。
そのほんものの罪は父をひどく狼狽させる。
父は自分の犯している罪(神に仕えるものは結婚できない、にも拘らず愛欲におぼれ再婚しようとしていること)から目を背けようと暴力で少年をしめだす。

父に完全に拒絶された彼には仲間がいた。盗撮を通じて仲間になった本当の友達。
そして盗撮を通じて彼は理想の女性=マリア様とも出会うのだ。

しかしそのマリア様は父の再婚相手の連れ子でしかもすべての男を敵とみなしているのだ。
当然彼は拒絶される。

だが一方でマリア様は女装した彼のことを本気で愛している、もちろん正体が彼とは知らずに。

彼はここでも愛を欲し、それを受け入れてもらえない苦しみを味わうのだ。
ありのままの自分を受け入れて欲しい。
その願いはかなわない。

父は罪を犯す彼でなければ認めてくれず、愛するマリア様は女装していなけれ愛を返してくれない。

彼の願いは第三者に利用されその結果父も、愛するマリア様も奪われてしまう。
彼は父を、マリアを取り戻すべく戦う。

ののしられさげすまれ拒絶されても彼はあきらめない。
何が彼をそこまで突き動かすのか?
そこまで拒絶されたなら普通はあきらめるだろ?

けれど違うのだ。
彼にはマリアしか見えないのだ。
マリアが現れる前は父しか見えなかったように。

マリアがいなければ彼は彼でなくなってしまう。
たとえ受け入れられなくても彼の想いはとどまることなく一直線にマリアに向かう。
崇高ですらある。

神を愛するものは見返りを求めない。どんな困難も教えと想いありがたく受け入れる。
彼はマリアに想いを伝え続ける。
後悔しないために。

その願いの行き着く先はどこだろう?
しかしゴールは重要ではない。

関連記事

51AS3F793XL._SL160_

『ロッキー』 愛は同じ境遇から生まれる

エイドリア~ン でお馴染みの映画『ロッキー』 ボクシングを題材にしたスポーツものですが、

記事を読む

風と共に去りぬ

『風と共に去りぬ』 自惚れと冷静さ

名前ぐらいならかなりの人が知っているんじゃないか、そんな名作映画、『風と共に去りぬ』。

記事を読む

51MxEp2729L._SL160_

『人のセックスを笑うな』 振り回される恋愛はやっぱり魅力的!

■フランス映画のようなユルさが魅せる自然な2人の時間 第132回芥川龍之介賞の候補作に

記事を読む

フォレスト・ガンプ/一期一会

『フォレスト・ガンプ/一期一会』ひたむきで純粋な愛情が心を癒す

『フォレスト・ガンプ/一期一会』は、トム・ハンクス主演のアメリカ映画です。 原作は小説

記事を読む

恋愛小説家

『恋愛小説家』 素直になれない気持ちの影に純粋な思いがあるのかも

恋愛小説家という映画をご存知でしょうか。 主演はジャック・ニコルソン。 あのシャイニング

記事を読む

51-b5n6C-UL._SL160_

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』 真の愛情は人生の扉を開ける。

この映画は、天才的な頭脳を持ちながらも心を閉ざす主人公ウィル・ハンティングと、妻を亡くし

記事を読む

51Nq3APjbkL._SL160_

『ルビー・スパークス』 理想のように思えても相手を思いやる愛情も大事

私の大好きな映画「ルビー・スパークス」をご紹介したいと思います。 この映画の世界観や雰

記事を読む

ラブ・アゲイン

『ラブ・アゲイン』 何よりもかけがえのないもの

高校時代に初めてつき合った魅力的な女性との間に子供ができ、そのままゴールイン。20年間幸せに

記事を読む

ベティ・ブルー

『ベティ・ブルー』 純粋すぎる愛は激しさとともに二人を刺し貫く

ベティ・ブルー 愛と激情の日々、 フランス映画の名作です。 主人公の自由奔放な少

記事を読む

PAGE TOP ↑